記憶の固執「白い恐怖」

サスペンス

サルバドール・ダリの作品の中では「
記憶の固執」(1931年)が一番好きです。

[原題]Spellbound
[製作年]1945[製作国]アメリカ
[日本公開]1951
[監督]アルフレッド・ヒッチコック
[製作]デビット・O・セルズニック
[脚本]ベン・ヘクト/アンガス・マクファイル
[音楽]ミクロス・ローザ
[上映時間]111

主な登場人物

コンスタンス・ピーターソン(イングリッド・バーグマン):
精神科医。新任の所長エドワーズに一目惚れする。

エドワーズ(グレゴリー・ペック):
新しい所長として赴任。少し不安定な所がある。

その他の登場人物

プルロフ(マイケル・チェーホフ): コンスタンスの恩師
メアリー(ロンダ・フレミング): コンスタンスの患者
マーチソン(レオ・G・キャロル): 前所長

あらすじ

精神病院で医師をしているコンスタンスはメガネをかけ知的美人だがやや堅物な女性だった。担当の患者であるメアリーは恋愛妄想のある若い女性で手を焼かされていた。彼女の元に新しい病院の所長が赴任し、エドワーズと名乗った。食事の際、コンスタンスの目の前に現れたエドワーズは思いのほか若く、ハンサムな男性だった。コンスタンスは思わず目を奪われてしまうが、平静を装って隣に坐った彼と話し始める。しかし彼女がテーブルクロスにフォークで曲線を引くと彼は激しく動揺し始めた。エドワーズはコンスタンスを誘い、昼食を持って散歩に出かける。堅物な彼女の顔が思わずほころんだ。眠れず部屋を出た彼女はエドワーズの著書を持って部屋に戻ろうとすると、他の部屋から明かりがもれていた。扉を開けると椅子に坐って眠るエドワーズの姿があった。すぐにコンスタンスに気づいたエドワーズは立ち上がり徐々に彼女に近づいてくる。まだ会ってから一日しかたっていないのにとつぶやく彼女を、エドワーズが抱きしめる。扉が次々開いていくき、キスする二人。抱きしめ合う二人だったが、エドワーズは彼女のガウンの線を見てまた動揺する。そこに電話が入り、父親を殺してしまったと妄想を抱いていた患者のガームズが自分の喉を切ったと連絡が入った。急いで手術室に入ると、再びエドワーズの様子がおかしくなり気を失ってしまった。かたわらで彼を看ていたコンスタンスは彼の著書のサインと彼が書いたサインの筆跡がまったく違うことに気づいた。目が覚めたエドワーズに対して、誰なのかと尋ねると自分が本物のエドワーズを殺し彼に成りすましていると言いだす。

どんな映画?

タイトルのSpellboundにはうっとりした、魅了されたなどの意味があり、映画の前書きにあるように精神分析によるトラウマの解消と殺人事件がテーマのサスペンス映画となっております。

精神科医のコンスタンスは美人だけどやや硬い感じの真面目なお方。
ある日新しい病院の所長として赴任してきた若いエドワーズに
何と一目惚れ❤️

背が高くイケメンのエドワーズでしたが食事中、コンスタンスがテーブルクロスの上にフォークで描いた曲線を見て異常に反応します。

会って1日しか経っていないのに
コンスタンスはすっかりエドワーズのトリコ。
その夜寝付けなかったコンスタンスはかれの部屋に行き閉ざされていた扉が次々に開かれます。

硬い人ほど陥落後は激しく流れ出すものですねー
抱き合った二人ですが、エドワーズはコンスタンスのガウンにある線に反応します。
そんな時患者の一人が自分の喉を掻っ切ってしまいます。
その手術の最中興奮して訳のわからないことを口走ります。

コンスタンスはエドワーズの筆跡から彼が本人ではないのではと感じ
今度は彼の口から、
自分はエドワーズを殺してなりすましている!
と話し始めます。

じゃあ誰なんだ?っつーことで
彼は姿を消します。
愛は強しコンスタンスは彼を追いかけてNYに向かうのですが…

エドワーズの夢に出てくる車輪を持った覆面の男

スペインを代表す画家の一人サルバドール・ダリがグレゴリー・ペック役のエドワーズが見る夢のイメージシーンの協力しています。ぐにゃっと歪んだ時計や目玉はダリの作品を思わせます。
ダリはスペイン出身の奇才ルイス・ブニュエル監督の「アンダルシアの犬」でも脚本に加わっています。

スタッフ・キャスト

主役の精神科医を演じたスウェーデン出身のイングリッド・バーグマンは、1940年代主にハリウッドで活躍。1941年に大物俳優スペンサー・トレイシーと「ジキル博士とハイド氏」で共演、1942年には彼女の代表作の一本である「カサブランカ」に出演し、大きな成功を収めます。また、1943年にはヘミングウェイの原作を映画化し、ゲーリー・クーパーと共演した「誰が為に鐘は鳴る」、続いて自身初のアカデミー賞を受賞した「ガス燈」で絶頂期を迎えます。その後、ヒッチ先生の作品三本、「白い恐怖」(1945年)、「汚名」(1946年)、「山羊座のもとに」(1949年)に主演しております。「白い恐怖」では演技を学んでいた俳優で演出家のマイケル・チェーホフと共演しています。

記憶喪失の男を演じたのはグレゴリー・ペックは、1940年代から1960年代にかけて最も人気のある映画スターの一人。1944年にプロパガンダ映画である「炎のロシア戦線(栄光の日々)」に初主演してから、端正な顔立ちに190センチ越えの超長身で人気を得て、この映画でも170センチ越えで長身の女優とされていたイングリッド・バーグマンと並ぶとお似合いです。スペンサー・トレイシーがどうこうではないのですがね〜その後1946年には「子鹿物語」、1947年にエリア・カザン監督の社会派映画「紳士協定」、同年に再びヒッチ先生の「パラダイン夫人の恋」に出演しております。

患者役で登場したのがロンダ・フレミング。これが本格的な映画出演果たし、翌年にはロバート・シオドマク監督の「らせん階段」に出演、殺されちゃいますがそこから西部劇などに多く出演されました。

ヒッチ先生登場シーン

バイオリンケースを持って、ホテルのエレベーターから出てくる。

まとめ

一目惚れで地獄行き

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