どうせ自殺を止められるなら
イケメンがいいですね。
[原題]L’ Heure ze’ro
[製作年]2007[製作国]フランス
[日本公開]2007
[監督]パスカル・トマ
[脚本]フランソワ・カヴィリオーリ/ナタリー・ラフォーリ/クレマンス・ドゥ・ビエヴィーユ/ロラン・デュヴァル
[原作]アガサ・クリスティ
「ゼロ時間へ」
[製作]ユベール・ワトリネ/ベルナデット・ザンク
[音楽]ラインハルト・ワーグナー
[上映時間]108
主な登場人物
ギョーム・ネヴィル(メルヴィル・プポー):
テニスプレイヤー。ハンサムで金持ち。
オード・ネヴィル(キアラ・マストロヤンニ):
ギョームの元妻。ギョームの今の妻とは対照的で、物静かで落ち着いた女性。
その他の登場人物
キャロリーヌ・ネヴィル(ローラ・スメット):ギョームの現在の妻。前妻を目の敵にしている。
カミーラ・トレシリアン(ダニエル・ダリュー):ギョームの伯母、富豪
マリ=アドリーヌ(アレサンドラ・マルティネス):カミーラの世話係
バタイユ警視(フランソワ・モレル): 事件の担当刑事。原作ではバトル警視
シャルル・トレヴァーズ(ジャック・セレ):高名な老弁護士
トマ・ロンドー(クレマン・トマ):ギョームとオードの古い友人
あらすじ
弁護士のトレヴォーズは検事やバタイユ警視の前で殺人事件について語った。殺人事件はいろいろな人々が係わり合い単なる結果であり、原因はずっと前から存在していた。そして人々がある時、ある場所に集まり沸点に達すると起きるものだと、それをトレヴォーズ弁護士は「ゼロ時間」と呼んだ。 ある男が崖から飛び降りた。その男ヴェルテルは、一命をとりとめて入院した。男は担当してくれた看護師に、会社の社長から、偽証を強要されたが断ったら会社をクビになってしまったという。しかし看護婦はあなたが生きていればきっといつか役にたつと語る。いるだけで役に立つのかもと。 バタイユ警視は娘の学校から呼び出され、学校で盗難があり娘がやったと白状したという。しかし娘がやっていないと言うことは警視にもわかっていたが何故やったと問うと、娘は教師の自分に対する疑いの目に耐えられなかったと話した。 ギョームは妻のキャロリーヌにバカンスを伯母であるカミーラの「カモメ荘」で過ごすと話すと、気性の荒い彼女はギョームの前妻オードも来ることも気に入らず、ギョームに不満を喚き散らした。オードを気にしていたカミーラは、キャロリーヌが来ることでオードが傷着くのではないかと案じて電話したが、携帯で出たオードはアドリアン・ロンドーと言う人物の墓の前でバラの花びらを巻きながら行くと話をした。「カモメ荘」にはキャロリーヌの男友達でジゴロのフレッド、友人のトマ、前妻のオード、カミーラの世話係のマリ=アドレーヌが揃った。トマはオードをずっと昔から愛しており、カミーラもそれを知っていた。今の妻と元妻が同室にいる「カモメ荘」は一触即発状態だった。情緒不安定気味のキャロリーヌは、事あるごとにヒステリックに怒り狂い、冷静なオードにつっかかった。その夜カミーラは古い友人のトレヴォーズを招き、全員で夕食をとった。その際、トレヴォーズが昔担当したある事件の話を始める。子供二人が弓矢で遊んでいて片方の子供が誤ってもう一人の子供を射殺してしまったというものだった。事故ということで片付いたが、のちにその子供は弓がうまく死んだ子に恨みがあったという。今大人になっているが殺人傾向は変わらないだろうと。その後、かなり酔っ払ったトレヴォーズがホテルの戻る間際、ホールで踊っていたキャロリーヌたちに誘われてダンスを踊る。その時発作用の薬を落としてしまうが、何者かに薬を床下に追いやられてしまう。何も知らずホテルに着いた弁護士はエレベーターが故障していたため階段を利用するが途中発作を起こしてしまう。トレヴォーズ弁護士の死を知らされてヴァカンス中のバタイユ警部が呼び出された。彼を見送ったトマはエレベーターが使用不可になっているのを見たが、そんなことはなかったという。夜ギョームたちは灯台ホテルでビリヤードをやりにフェリーに乗る話をするが、ギョームはカミーラの寝室に呼ばれ訪れる。カミーラは、オードとよりを戻そうとしているギョームに、自分は反対だと告げ激しく言い争った。翌朝メイドがカミーラの部屋を訪れるとカミーラはベッドの中で頭を殴打され血を流して死んでいた。
どんな映画?
この映画は、アガサ・クリスティーによる推理小説「ゼロ時間へ」を、フランスの映画監督パスカル・トマが舞台を現代のフランスに変えて映画化。
ベテラン弁護士のトレヴァーズ氏は
全ての人間関係、場所、偶然、出来事が
集結した結果が殺人と言う帰結になる。
事件は殺人のずっと前から始まっており、
ゼロ時間へ向かって行く。
すなわち
殺人が行われた瞬間=ゼロ時間
なのだと。
人生に絶望した男が崖から飛び降り。
うっかり助かってしまい
入院中のベッドでうなだれていると
看護師さんに
あなたが生き残った意味が必ずあるはず
と 励まされます。
富豪の未亡人カミーラは
バカンスに甥のギョーム夫妻を招待
しかしそこにギョームの元妻
オードもやって来ると聞きます。
問題が起こると感じたカミーラは
オードに電話をかけ無理して
来なくていいからと伝えますが
オードは行くと答えます。
結局カミーラの「カモメ荘」には
カミーラ
ギョーム夫妻とオード
オードの古い友人トマ
カミーラの友人トレヴァーズ弁護士
カミーラの世話係マリ=アドリーヌ
ギョームの妻キャロリーヌの男友達フレッド
が揃います。
これで事件が起きないわけがない!
そんでもって殺されたのはー
犯人と疑われて絶望し崖の上に立つオード
止めに入った人物はおっさん!!?
ってあんた誰??
原作の「ゼロ時間へ」は、アガサ・クリスティ原作の長編推理小説で、ロンドン警視庁のバトル警視が活躍します。この映画ではバタイユ警視として登場しています。クリスティ作品に登場する探偵役ポアロやミス・マープル、おしどり探偵トミーとタペンスよりは知名度の低いバトル警視ですが、この1944年に発表された「ゼロ時間へ」は、誰かわからない犯人が殺人の計画をたて、犯行の瞬間=ゼロ時間へ遡っていく、倒叙の手法を取られている小説として知られています
この映画では、原作にある殺人計画を立てているであろう人物の描写がないのですが、わりかし原作に忠実です。
ただ、冒頭に登場する自殺未遂する男性ですが、原作では青年なのですがこの映画では残念ながら(?)おっさんです♪
スタッフ・キャスト
監督はフランス出身のパスカル・トマ。2005年に「偉大なるマルグリッド」(2015年)の主演で知られるカトリーヌ・フロを主演に、アガサ・クリスティ原作のオシドリ探偵「トミーとタペンス」シリーズの「親指のうずき」を「アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵」として映画化。この映画が好評を博し、2008年に同じキャストでアガサ・クリスティ原作のミス・マープルシリーズの「パディントン発4時50分」を「アガサ・クリスティー 奥さまは名探偵 パディントン発4時50分」として映画化しています。
ギョームを演じたのはフランス出身の俳優メルヴィル・プポー。10代からキャリアをスタートさせ、1992年にフランス・イギリス合作の官能映画「愛人/ラマン」に弟役で出演。2005年にフランソワ・オゾン監督の「ぼくを葬る」に主演。フランソワ・オゾン監督作品では「ムースの隠遁」(2009年)や、「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(2018年)に出演しています。また、2012年に主演したグザヴィエ・ドラン監督の「わたしはロランす」では、トランスジェンダーの男性を体当たりで演じ高く評価されています。
ギョームの元妻オードを演じたのは、イタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニを父に持ち、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴを母に持つフランスの2世女優キアヌ・マストロヤンニ。2007年のフランスのアニメ映画「ペルセポリス」では、主人公の少女の声を担当。この映画では実母のカトリーヌ・ドヌーヴが母親役の声を、ダニエル・ダリューが祖母の声を担当しています。
ギョームの2番目の妻役で出演しているローラ・スメットも、フランスの国民的人気歌手ジョニー・アルディを父に持ち、トリュフォーやゴダール作品の常連女優ナタリー・バイを母に持つ2世女優です。
まとめ
元夫に会いに行って地獄行き
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