地獄のクリスマス「8人の女たち」

ミステリー

どちらかというと男家系なので
女系家族は怖いものがあります。

[原題]Huit Femmes
[製作年]2002[製作国]フランス
[日本公開]2002
[監督・脚本]フランソワ・オゾン
[原作]ロベール・トマ
[製作]オリヴィエ・デルボス/マルク・ミソニエ
[衣装]パスカリーヌ・シャヴァンヌ
[音楽]クリシュナ・レヴィ
[上映時間]111

主な登場人物

ギャビー(カトリーヌ・ドヌーヴ):
マミーの長女、マルセルの妻。シュゾンとカトリーヌの母。

マミー(ダニエル・ダリュー):
ギャビーの母親。シュゾンとカトリーヌの祖母。

その他の登場人物

オーギュスティーヌ(イザベル・ユペール): オールドミスのギャビー妹
ピエレット(ファニー・アルダン): マルセルの妹
ルイーズ(エマニュエル・べアール): 美人メイド
シュゾン(ヴィルジニー・ルドワヤン):ギャビーの女子大生の長女
カトリーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ): シュゾンの17歳の妹
シャネル(フィルミーヌ・リシャール): 太った黒人メイド

あらすじ

クリスマス休暇の為、1年ぶりに実家に帰ってきた女子大生のシュゾン。母のギャビーが車で迎えに行き、家に着くとすぐに車椅子の祖母マミーに挨拶した。そこに昔からいる黒人メイドのシャネルと新しい美人メイドのルイーズが出迎えた。嫌味ったらしく出迎えたのはここに住むオールドミスのギャビーの妹、オーギュスティーヌ。最後に飛んできたのはシュゾンの17歳の妹カトリーヌだった。この家で唯一の男、ギャビーの夫で2人の娘の父であるマルセルは寝室から姿を見せない。ルイーズがマルセルの寝室から悲鳴を上げて出てくる。マルセルが背中を刺されて血を流しているというのだ。すぐにカトリーヌが見に行き死んでると叫ぶ。警察が来るまでは現場を保存する為と鍵をかけたと言う。きちんと確認しなきゃとその鍵を受け取りギャビーたちが部屋に入るとマルセルの背中にはナイフが刺さったままだった。ギャビーはショックのあまり気絶してしまう。警察を呼ぼうと受話器を取るが電話線は切られていた。テーブルに7人の女達が座りシュゾンを中心に話し合いをはじめる。マルセルはやり手の株主ブローカーで遺産はギャビーと娘たちが相続する。何度か家にも来たことがあるマルセルのビジネスパートナーのファルヌー氏、彼は犯人ではないだろうとなった。カトリーヌはマルセルの妹を呼ばなきゃと部屋を出ていく。マルセルの妹ピエレットは元ストリップダンサーでその仕事の影響で兄とは疎遠になっていたが、最近は会っているようだった。

どんな映画?

ロベール・トマの戯曲を映画化です。
初演が1961年ですので年代の設定も
その頃よりちょっと前を想定しております。

また、映画版はミュージカル仕立てになっておりますのでいきなり歌い出します。

クリスマスの休暇に帰省した女子大生のシュゾン。
家では祖母のマミーが車椅子で出迎えてくれます。
他に黒人メイドのシャネル、新しいメイドのルイーズ、叔母でシュゾンの母親ギャビーの妹オーギュスティーヌが嫌味ったらしく出迎え。

最後に妹のカトリーヌが。

そんな女だらけの中に唯一の男が
ギャビーの夫でシュゾンとカトリーヌの父マルセルでした。

しかしそのマルセルが自室で背中を
ナイフで刺され殺されてるのが発見されます?!

一体誰がマルセルを殺したのでしょうか?

8人の女たちは犯人探しのため
お互いを探り合うのでしたが…

右からメイドのルイーズ、マルセルの妻ギャビー、マルセルの妹ピエレット、祖母のマミー、17歳のカトリーヌ、女子大生のシュゾン、ギャビーの妹オーギュスティーヌ、黒人メイドのシャネルの8人の女たち。

この映画の見どころは何と言っても豪華な女優陣!
カトリーヌ・ドヌーヴをはじめイザベル・ユペール、ファニー・アルダンなどのベテラン女優からリュディヴィーヌ・サニエなどの期待の若手女優。そして往年の大女優ダニエル・ダリューまで!
この映画の出演で8人の女優たちがベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています。

会話中心の展開ですが、次第に女達の罵り合いが始まり差別的な発言もチラホラ。
カトリーヌ・ドヌーヴとファニー・アルダンのキャットファイトは中々の迫力です。

家族と言う名の生き地獄。
しかし、つくづく最後に生き残るのは女なんですねぇ

スタッフ・キャスト

フランス映画界の若手としてかなり前から名前が上がるフランソワ・オゾン監督。特に女性映画は定評があり2000年にシャーロット・ランプリング主演の「まぼろし」や、同じくランプリング主演の「スイミング・プール」(2003年)はミステリー仕立てのストリー展開の中にさらに謎を残す展開で不思議な魅力のある作品を監督されています。

マミーの長女でマルセルの妻役は、現在77歳のカトリーヌ・ドヌーヴ。まだまだ意欲的に出演されている大女優ですが、2000年代は2000年のビョーク主演の屈指のうつ映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の出演を皮切りに、翌年には「三銃士」を題材にしたピーター・ハイアムズ監督の「ヤング・ブラッド」(2001年)でハリウッド映画に久しぶりに進出。2007年にはフランスで物議を醸した長編アニメ映画「ペルセポリス」に声優として出演し、娘のキアラ・マストロヤンニと共演を果たすなど意欲的に活躍されていました。

マミー役のダニエル・ダリューと言えば、往年のフランス古典映画の美人女優の代表格として君臨されていいました。若い頃のダニエル・ダリューはびっくりしたような大きな瞳が印象的な正統派美人。1930年代から多くのフランス映画に出演。ハリウッドでは数本の映画にとどまっていますが、中でもジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督の「五本の指」(1952年)での伯爵夫人役が印象的です。キャリアは非常に長く、カトリーヌ・ドヌーヴとは彼女の代表作の一つである「ロシュフォールの恋人たち」(1967年)で母親役を演じ、2007年の「ペルセポリス」では母親役のカトリーヌ・ドヌーヴの母親役、主人公の祖母役の声で出演されています。2017年に100歳でお亡くなりになりましたが、80年以上のキャリアは記録的です。

マルセルの妹役を演じたファニー・アルダンはフランソワ・トリュフォー監督の「隣の女」(1981年)、「日曜日が待ち遠しい!」(1983年)に主演し有名になりました。トリュフォー監督とは公私ともにパートナーになり、現在は演出や監督業でも活躍されています。

何とも言えないミステリアスな美貌のメイドのエマニュエル・べアール。1993年のジャック・リヴェット監督の4時間にわたるちょー長編映画「美しき諍い女」でほとんどヌードを披露するなど中々攻めた映画に出演されています。「天使とデート」(1987年)のエマニュエル・べアールは天使でした。

女子大生役を演じていたヴィルジニー・ルドワヤンは1995年にはクロード・シャブロル監督の映画「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」で虐殺される女子大生を演じておりました。

妹のカトリーヌを演じたリュディヴィーヌ・サニエは2000年にフランソワ・オゾン監督の「焼け石に水」に出演し、フランスの若手女優として注目されました。2003年の「スイミング・プール」では大胆な演技を披露し、その後もクロード・シャブロル監督やアラン・コルノー監督などの巨匠の作品に出演しています。

まとめ

女だらけのクリスマスで地獄行き

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