青い恋人たち「ハンガー」

怪奇

バッタもののお菓子の方が
本家よりも美味しい場合があります。

[原題]The Hunger
[製作年]1983[製作国]イギリス
[日本公開]1984
[監督]トニー・スコット
[脚本]ジェームズ・コスティガン/アイヴァン・デイヴィス/マイケル・トーマス
[原作]ホイットリー・ストリーバー
   「The Hunger(薔薇の渇き)」
[製作]リチャード・シェファード
[撮影]スティーヴン・ゴールドブラット
[特殊メイク]ディック・スミス
[上映時間]96

主な登場人物

ミリアム・ブレイロック(カトリーヌ・ドヌーヴ ):
何世紀も同じ姿で生き続ける女吸血鬼。

ジョン・ブレイロック(デヴィッド・ボウイ ):
ミリアムの夫。永遠の若さと思っていたがある日急激に老化が始まってしまう。

サラ・ロバーツ(スーザン・サランドン ):
老化現象の研究専門の医師。

その他の登場人物

トム・ヘイヴァー(クリフ・デ・ヤング ): サラの恋人
アレグレッツァ警部補(ダン・ヘダヤ): 行方不明になったアリスの捜索
アリス(ソフィー・ウォード ): ロンドンの家の少女
公衆電話の横の男(ウィレム・デフォー)
リリーベル(ベッシー・ラヴ):サインを求める老女

あらすじ

ニューヨークの深夜のクラブから連れ出した男女が血まみれで殺された。ミリアムとジョンは二人でシャワーを浴び血を洗い流した。ジョンはミリアムに言う「永遠だろ?」と。子供が急速に老化していくポルジェリアの研究をしている女医のサラはテレビにも出演するこの研究の権威だった。本も出版しているが彼女の診療所ではなかなか予算がつかなかった。おそらく元貴族(18世紀か)のジョンの元にミリアムが現れ吸血鬼になる。しかしジョンは次第に老化を始めていた。ミリアムはサラの本を購入し彼女に会いに行く。ミリアムは何千年もの間、恋人が朽ち果てて老いていく様子をただ成す術なく見続けていたのだ。ジョンはサラに治療を求めるが、会議だと言って15分後にと言いながら、2時間待たせた。その間にジョンはみるみる衰え始め、サラとすれ違った時は別人のように変化していた。

どんな映画?

美しいお二人。

タイトルのハンガーは「渇き」の意味。
血を求める吸血鬼を題材にした映画です。

何千年もの間生き続ける吸血鬼はパートナーを求めます。
しかし、自分がパートナーにした相手は永遠の若さではないのです。
ミリアムは何千年もの間、恋人が朽ち果てて老いていく様子をただ成す術なく見続けていた美しい吸血鬼でした。

悲しみに暮れるミリアム。
孤独に耐えられないミリアムはまた再びパートナーを求めます。
目をつけたのが今度は女性の女医サラでした。
さすが、何千年も生きてるだけあって両刀使いです。
人間を味わい尽くします。

サラ役のスーザン・サランドンはガチンコでヌードを披露していますが、ドヌーヴはおそらくボディ・ダブルでしょう。
ドヌーヴの衣装は当然イヴ・サンローランです。
彼女はサンローランの最大の顧客なのです。

枯葉のように老いさらばえ、それでも死ぬことは許されないミリアムの恋人たち。棺の中に入れられ地獄をさまよいます。タダで済むと思ってないですよね。

スタッフ・キャスト

監督のトニー・スコットはこの映画が長編デビュー作です。ヒット作を連発しましたが残念ながら2012年に亡くなってしまいました。お兄さんが「エイリアン」のリドリー・スコットと奇才一家なんですね。

主演のミリアムにフランス女優の大御所カトリーヌ・ドヌーヴ。1963年のフランスミュージカル映画の金字塔「シェルブールの雨傘」で可憐なヒロインを演じ一躍スターに。姉のフランソワーズ・ドルレアックと双子を演じた1967年の「ロシフォールの恋人たち」、奇才ルイス・ブニュエル監督の「昼顔」、1970年の「哀しみのトリスターナ」などに出演。現在76歳にしてなお精力的に映画にご出演されています。昨年は是枝裕和監督の仏日合作映画「真実」にご出演されています。

ジョン役のデヴィッド・ボウイ。イギリス出身のアーティストで1970年代からカルチャーアイコンとして君臨。2016年に69歳で亡くなられましたが、性別を超越したカリスマ的魅力を発揮しました。この映画では特殊メイクなしの出番が少ないのが残念です。個人的には1986年の「ラビリンス/魔王の迷宮」がドンピシャで大好きなのですが、あれもフツーのカッコしていないんですよね~。
息子のダンカン・ジョーンズは2011年の「ミッション:8ミニッツ」の監督で名前が知られるようになりましたね。

女医役でこの映画でフルヌードを披露したスーザン・サランドンはアメリカ人女優。カルト映画好きならスーザン・サランドンと言えば1975年の映画「ロッキー・ホラー・ショー」の主演女優として有名です。実力は女優として1995年にパートナーであって俳優のティム・ロビンスが監督映画「デッドマン・ウォーキング」で死刑囚と面会を重ねる修道女を演じアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

ちなみにサラのサイン会にサインしてくださいと言ってきたおばあさんは、サイレント時代から活躍していた女優ベッシー・ラヴです。この映画が最後の出演作となりました。

多くの美男美女たちが映画の中では生き続けます。
そして語り掛けるのです「永遠だろ…」って。

まとめ

恋人の乗り換えなんて都合よすぎで地獄行き

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