プロムというイベントの存在自体が
イケてない人間にとっては地獄ですネ
[原題]Carrie
[製作年]1976[製作国]アメリカ
[日本公開]1977
[監督・製作]ブライアン・デ・パルマ
[脚本]ローレンス・D・コーエン
[原作]スティーヴン・キング
[編集]ポール・ハーシュ
[音楽]ピノ・ドナッジオ
[上映時間]98
主な登場人物
キャリー・ホワイト(シシー・スペイセク):
いじめられっ子。父親はおらず、母親はカルト教信者で特殊な環境で生活している。興奮すると念力で物が動かせる事に気づく。
マーガレット・ホワイト(パイパー・ローリー):
キャリーの母。明らかにおかしいカルト教信者。
その他の登場人物
クリス・ハーゲンセン(ナンシー・アレン):いじめっ子
トミー・ロス(ウィリアム・カット):スーの彼氏。スーに頼まれてプロムでキャリーを誘う。
コリンズ(ベティ・バックリー):体育教師。キャリーを気遣う。
スー・スネル(エイミー・アーヴィング):キャリーのクラスメイト。
ビリー・ノーラン(ジョン・トラヴォルタ):クリスの彼氏
フロム氏(シドニー・ラシック)
ノーマ・ワトソン(P・J・ソールズ):クリスの友人
フレディ(マイケル・タルボット):ビリーの友人
スネル夫人(プリシラ・ポインター):スーの母親
あらすじ
女子高生のキャリーは女子全員から嫌われるいじめられっ子。体育の授業の後キャリーがシャワーを浴びていていると、急に初潮を迎えてしまう。生理の知識が無かったキャリーは血を見てパニックを起こし同級生たちに「助けて!」と近寄りますが、皆んな一斉に生理用品をキャリーに投げつける。興奮したキャリーの頭上の電球が点滅する。あまりの事に女教師のコリンズがキャリーを落ち着かせて抱き締める。他の生徒たちは、卒業間近でプロムのことばかり考えていた。校長に早退するように言われるキャリーだが、校長はキャリーの名前を正確に言えず、興奮したキャリーが「キャリー」だと叫ぶと机の上の灰皿が吹っ飛んだ。キャリーの同級生のスーの家にキャリーの母親が尋ねて来る。スネル夫人は彼女を家に上げるが宗教の勧誘でやんわりと追い出される。家に帰った母親は、生理のことを何故教えてくれなかったのかと問うキャリーに「罪だ!淫らだ!詫びろ!」と責め立てお祈り部屋に閉じ込めた。学校ではコリンズ先生がいじめっ子たちを集め、彼女達にプロムのパートナーを尋ねる。いじめの中心で反抗的な女生徒のクリスはビリーと、スーはトミーだと答える。すると先生は彼女たちに3日間の停学とプロムへの参加を禁止すると伝える。動揺する彼女たちだったが、実際学校側の決定は1週間の放課後居残りだと訂正し安心させる。でも出ない場合は本当にプロムに出られなくすると言うコリンズ先生。仕方なく腕立て伏せなどするが、途中でクリスは嫌気がさし先生に悪態をつく。先生に殴られたクリスはキレて一人その場を立ち去り、プロムに行くことを禁止される。キャリーは、図書館でテレキネシス(念力)について書かれた本を持って帰る。スーは彼氏のイケメンのトミーにキャリーをプロムに誘ってと頼み、一方のクリスは彼氏のビリーにキャリーのことがムカつくと話す。図書館にいたキャリーにトミーが近づき彼女をプロムに誘う。驚いたキャリーは返答せずにその場から逃げ出してしまう。キャリーは、コリンズ先生にトミーにプロムに誘われたことを告白する。先生は素敵なことだと喜び、キャリーに自信を持つように励ます。しかし先生はトミーとスーが何か企んでいると勘ぐり、トミーとスーに話を聞くが、反省していたスーは相手を選ぶのは自由だ友達になれるかもとキャリーのためだと言い切る。トミーはキャリーの家に行き根気強くキャリーを誘った。
どんな映画?
ホラー小説界の帝王スティーヴン・キングの長編デビュー作を原作に、ブライアン・デ・パルマ 監督が映画化。シシー・スペイセクがキャリーを演じ、この映画が25年振りの映画出演となったパイパー・ローリー、1977年に「サタデー・ナイト・フィーバー」でブレイク直前のジョン・トラボルタが出演していることでも知られています。
体育の後シャワーを浴びていた
女子高生キャリー
血?!! きぃーえーっ
単なる月のものですが
生理の知識が全くなかった
キャリーは取り乱し裸のまま
同級生に助けを求めます。
ところが いじめられっ子のキャリーは
みんなから生理用品を投げつけられる
地獄
慌てて体育教師のコリンズ先生が
キャリーを助けます。
カルト宗教にハマっている
母親に育てられているキャリーは
見た目も性格もビミョー
おまけに普通の女子高生としての生活はゼロ
コリンズ先生はキャリーに同情します。
先生はいじめをした同級生たちに
罰を与えます。
これに激しく反発したのはいじめっ子のクリス
コリンズ先生はクリスに
プロムに参加できない
罰を与えてしまいます。
一方、同級生のスーはキャリーへに
罪滅ぼしの為自分の彼氏に
キャリーをプロムに誘うよう
頼むのですが…
プロム会場が火の海に!!
今やホラー映画の古典となっている「キャリー」ですが、公開当時もヒットし、ホラー映画にも関わらずシシー・スペイセクとパイパー・ローリーがそれぞれアカデミー賞にノミネートされています。
悲惨な宗教2世の生活ぶり、いじめられっ子に備わった超能力、純粋さと被害妄想。キャリーの取り巻く環境が過酷で可哀想だと思うけど、何だか好きになれない主人公をシシー・スペイセクが熱演しております。 アメリカの高校生活最大のイベント(らしい)プロム。古くからアメリカの映画でちょいちょい登場していますが、公開当時日本ではあまり知られていなかったと思います(多分)。この後にカナダ産ホラー映画で「プロムナイト」(1980年)が登場し、ホラーの題材か?と思われるイベントに(?)まあ、そもそもカップルでないと参加もできないという、イケてない男女からしたらそれだけで地獄のイベントだと思いますが。 個人的に好きなプロムネタ映画はファレリー兄弟の「メリーに首ったけ」(1998年)ですネ。
いじめっ子役を演じたナンシー・アレンはこの映画の出演で注目され、後にブライアン・デ・パルマ 監督と結婚。監督の「殺しのドレス」(1980年)や「ミッドナイトクロス」(1981年)にも出演しています。 また、スー・スネルを演じたエイミー・アーヴィングは、スピルバーグの元妻で、本作に出演しているスーの母親スネル夫人を演じたプリシラ・ポインターは、実際にエイミー・アーヴィングの母親です。
1999年に続編の「キャリー2」が公開され、2013年にはキンバリー・ピアース監督によりリメイク版が公開され、キャリー役をクロエ・グレース・モレッツ、母親役をジュリアン・ムーアが演じています。
スタッフ・キャスト
狂信的なカルト信者の母親を演じたのは、アメリカ合衆国出身のパイパー・ローリー。1950年にスクリーンデビューし、1952年にダグラス・サーク監督の「僕の彼女はどこ?」に娘役で出演。この映画は伝説の俳優ジェームズ・ディーンが端役でちらっと出演していることでも知られています。トニー・カーティスやタイロン・パワー、ロック・ハドソン、ヴィクター・マチュアなどと共演し、1961年にロバート・ロッセン監督のビリヤード映画「ハスラー」に主演のポール・ニューマンの彼女役として出演。この映画の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。ですがその後思った役を得ることができなかった為長く映画界から遠ざかっておりましたが、1976年にこの「キャリー」で毒母を熱演。この演技も絶賛され、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。1979年にオーストラリア映画「ティム」で、若き日のメル・ギブソンと年の差恋愛する女性の役を演じています。ランダ・ヘインズのヒューマンドラマ「愛は静けさの中に」(1986年)でも、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。その他、マイケル・ウィナー監督のアガサ・クリスティ原作映画「死海殺人事件」(1988年)、ノーマン・ジュイソン監督の「アザー・ピープルズ・マネー」(1991年)、ダリオ・アルジェント監督のホラー映画「トラウマ/鮮血の叫び」(1993年)、ロバート・ロドリゲス監督のホラー映画「パラサイト」(1998年)などに出演しています。また、デイヴィッド・リンチ監督の伝説のテレビドラマ「ツイン・ピークス」にも出演しております。
いじめっ子クリスの頭悪そうな彼氏を演じたのは、この映画で本格デビューのジョン・トラボルタ。1975年にアメリカの異色ホラー映画「魔鬼雨」に出演、「キャリー」に出演した同年に、病気ヒューマン映画「プラスチックの中の青春」(1976年)に主演。1976年に主演したジョン・バダム監督のディスコ青春映画「サタデー・ナイト・フィーバー」が大ヒットしブレイク。翌年にオリビア・ニュートン=ジョンと共演した学園ミュージカル映画「グリース」(1978年)もヒットしています。続いてジェームズ・ブリッジス監督のロデオマシン青春映画「アーバン・カウボーイ」(1980年)、ブライアン・デ・パルマ 監督のサスペンス映画「ミッドナイトクロス」(1981年)も好演。ですが、1983年に「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編「ステイン・アライブ」が大コケ。同年「グリース」と同じキャストで制作された「セカンド・チャンス」も大コケ。不遇の時代を過ごした後1994年にクエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」で、ユマ・サーマンと踊り復活。その後はコンスタントに映画に出演されています。
まとめ
阿鼻叫喚のプロムナイトで地獄行き
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