吸血鬼は自動ドア「吸血鬼ノスフェラトゥ」

怪奇

登場人物の名前が違ったりするのは大人の事情です。

[原題]Nosferatu ・ Eine Symphonie des Grauens
[製作年]1922[製作国]ドイツ
[日本公開]未公開
[監督]F・W・ムルナウ
[原作]ブラム・ストーカー
[上映時間]94分(オリジナル)

主な登場人物

オルロック伯爵(マックス・シュレック):
トランシルヴァニアの貴族。ねずみのような容貌にやたら長い爪の変わった風貌で只者ではない感をふんだんに出している。

トーマス・フッター(グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム):
ノックの経営する不動産屋で働いているノーテンキ男。しかしオルロック伯爵の城を訪れた大変なことに。

エレン(グレタ・シュレーダー):
ジョナサンの妻。時折夢遊病に。

その他の登場人物

ノック(アレクサンダー・グラナッハ):怪しい不動産業者。

あらすじ

ブレーメンの著名な歴史家ヨハン・カバリウスの日記から「ノスフェラトゥ!血も凍る名前 1838年のブレーメンに疫病をもたらした張本人か?疫病の原因を追求する内にトーマス・フッターと妻のエレンに降り掛かった痛ましい事件を知った」とある。
幸せいっぱいのフッターと妻のエレン。フッターは変わり者の不動産業者ノックの元で働いていた。トランシルヴァニアから届いたオルロック伯爵の手紙にはこの町で家を買いたいとのこと。ノックはフッターにフッターの家の前の屋敷を仲介しようと、フッターをトランシルヴァニアに向かわせることにした。トランシルヴァニアには幽霊が出るという噂があり、その話を聞いたエレンは不安を隠せなかった。ジョナサンは留守の間、エレンを友人のウエステンラと妻のルーシーに託した。旅路を急ぐジョナサン、店でドラキュラ城の話をすると一斉に危険だからやめろと止められる。その晩宿に宿泊することにしたフッター、部屋に吸血鬼の書という本が置かれており何気なく手にする。1443年不死身の者この世に誕生すむやみに口にすることなかれと書かれていた。笑い飛ばし本を投げつけるジョナサン(二回も)しかし馬車もこの先は行くことはできないと断られてしまい歩いて向かうことに。そこを馬車に拾われ猛スピードでオルロック伯爵の城に向かった。彼を出迎えたのはのっぽで痩せていて眼光鋭く白い顔、手を前にし奇妙な風貌だった。もう遅いので召使は帰したといい城で食事をとるフッター。ビビりながらパンを切っていると誤って指まで切ってしまい血が流れる。それを見て血だ!と立ち上がる伯爵に後ずさりするフッター。椅子に座ったまま朝が明けてしまった。家人は誰もいないように静まり返った屋敷でフッターはエレン宛に手紙を書く。フッターは朝起きたら首筋に蚊か蜘蛛にでも食われたような2つの痕があったというのだが…

どんな映画?

この映画はサイレント映画です。
なんせ1922年の映画ですので♪

ずばり吸血鬼ドラキュラの映画化なのですがタイトルが違うのは原作者ブラム・ストーカーの遺族である夫人の許可がもらえなかったから。

アイルランド出身のブラム・ストーカーが「ドラキュラ」を発表したのは1897年のこと。
舞台で公演され大盛況を受け
1922年にドイツの監督ムルナウによって
初めて映画化が試みられたのですが原作の使用許可が得られず公式に得られた映画版は1931年のベラ・ルゴシ主演で撮られた「魔人ドラキュラ」でした。その後著作権侵害で裁判にかけられ配給停止にあってしまうという不幸な作品。
映画自体は「カリガリ博士」と並びホラー映画の元祖、ドイツ表現主義の傑作と言われています。

というわけで役名も原作の
ドラキュラ伯爵→オルロック伯爵
ジョナサン・ハーカー→トーマス・フッター
レンフィールド→ノック
ニーナ→エレン
に変えられています。
(現在視聴できるDVDは原作の役名を使用しております。)
ついでに舞台もイギリスのからドイツに
変更されております。

新婚で浮かれ気味のフッター。
彼は一風変わった不動産業者ノックの元で働いていました。
ノックの命令で不動産契約を結ぶため
オルロック伯爵のいるトランシルヴァニアに向かうことに。

トランシルヴァニアという土地に
不安を感じる新妻のエレンをよそに
ノンキに出かけるフッター。

何とかオルロック伯爵の城に到着した
彼を出迎えたのは奇妙な風貌の伯爵でした。
ビビりながらもそのまま伯爵の城に
泊まってしまったフッター。
次の日彼の首筋には噛まれたような跡が・・・・

忍び寄る妖しい影。

この映画のオルロック伯爵ことドラキュラを演じたマックス・シュレックの異様な様子を観て
「ものほんの吸血鬼なんじゃ!!?」
っと思ったのは「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」の脚本家スティーブ・カッツでした。

スタッフ・キャスト

ドイツの監督のF・W・ムルナウは代表作の一つである「最後の人」(1924年)を監督。その後、1927年にハリウッドでジャネット・ゲイナーに第一回アカデミー賞主演女優賞をもたらし、芸術作品賞を受賞したサイレント映画の傑作「サンライズ」を監督。しかし42歳の若さで自動車事故でお亡くなりになりました。

1979年にドイツの鬼才監督ヴェルナー・ヘルツォークが「ノスフェラトゥ」としてリメイクしています。
ねずみ男ではなくドラキュラ伯爵に扮していたのはノーメークでもすごい顔のクラウス・キンスキーです。

2000年に製作された「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」では、マックス・シュレックが本物の吸血鬼だったというネタでこの「吸血鬼ノスフェラトゥ」の撮影現場を舞台に作られました。監督のムルナウ役にジョン・マルコヴィッチ、マックス・シュレック役にウィレム・デフォーです。製作にはニコラス・ケイジが名を連ねています。

まとめ

本物すぎる吸血鬼で地獄行き

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