さまよえる魂「古城の亡霊」

怪奇

女を追いかけていくと大抵ロクなことないです。

[原題]The Terror
[製作年]1963[製作国]アメリカ
[日本公開]1964
[監督・製作]ロジャー・コーマン
[製作]フランシス・フォード・コッポラ
[脚本]レオ・ゴードン/ジャック・ヒル
[上映時間]81

主な出演

ビクター・レッベ男爵(ボリス・カーロフ):
古城の主人。妻のエレインは20年前に死んでいると言うのだが…

アンドレ・デュバリエ中尉(ジャック・ニコルソン):
隊とはぐれてしまい海辺を彷徨う。そこで美しい娘エレインと出会い助けてもらう。突然消えた彼女を追って丘の上の古城に向かうのだが…

エレイン(サンドラ・ナイト):
デュバリエ中尉が浜辺で出会った娘。フラフラになっていたアンドレに飲水の場所を教えてくれた美女。

その他の登場人物


ステェファン(ディック・ミラー):執事

あらすじ


フランス連隊とはぐれてしまったアンドレ中尉は馬に乗りフラフラになりながら、浜辺をさまよっていた。そこに突然美しい娘が現れ、水のありかを教えてもらう。彼女はエレインと名乗り、水の中に消え入るところをアンドレが追いかけ、気づいた時には老婆と小屋の中にいた。アンドレが若い娘のことを聞くと、そんな娘はいないと一蹴されてしまう。彼をここに運んできた男は男爵の城に閉じ込められている彼女を助けて欲しいと言う。さっそく男爵の城まで行き、無理に泊めてもらう。そこには男爵と執事の男がおり、やはり娘はいないという。しかし壁に掲げられていた肖像画はエレインとそっくりで、彼女は男爵の妻だったが20年前に死んでいるという。城の中を探るアンドレ、確かに彼女の気配を感じる。男爵は彼を追い出そうとするが、アンドレは勝手に城を探り回る。

どんな映画?

連隊とはぐれ、行き倒れ寸前だったアンドレは浜辺で美しい娘に出会います。
水のありかを教えてくれ、すっかり生き返ったアンドレ。
彼女はエレインと名乗りそのまま行ってしまうところを、アンドレが追いかけてみると
彼女は海の中に入り、消えてしまいます。
アンドレが波打ち際に行くと鳥に襲われ気を失ってしまいます。

アンドレが気付くとそこにはエレイン…ではなく老婆がいました。
小屋で介抱されていたアンドレその小屋には老婆とグスタフという口のきけない男がいました。
アンドレは娘の事を聞くが、ここら辺にはそんな娘はいないと老婆は答える。
しかしその夜アンドレは外で娘に逢いキスをします。
再び消えてしまうと、そこにグスタフが現れ、彼女はレッベ男爵に囚われの身だと話す。

一人城を目指すアンドレ、城を訪ねると応対したのはこわもてのレッベ男爵だった。
城には執事と2人きりと話、アンドレに絵を見せる。

その絵にはエレインとそっくりの女性が描かれており、レッベ男爵の妻で20年前に死んだと語るのでしたが…

この映画はゴシック・ホラーといいましょうか、しかしとにかく安っぽくてB級。
なんてったって監督がロジャー・コーマン御大ですので。

スタッフ・キャスト

監督のロジャー・コーマンは「低予算映画の帝王」呼ばれており、短時間で何本も映画を製作。
現代物のB級ホラーも製作しましたが、1960年代にエドガー・アラン・ポー原作の怪奇映画、1960年「アッシャー家の惨劇」、1961年「恐怖の振子」、1962年「姦婦の生き埋葬」、1962年「黒猫の怨霊」、1963年「忍者と悪女」(原作は「大鴉」なぜこんな邦題に?)、1964年「赤死病の仮面」、1964年「黒猫の棲む館」と多く製作し、ほとんどにヴィンセント・プライスが出演。これらの映画の出演によりヴィンセント・プライスは怪奇
映画の一人者として地位を不動のものにしました。1990年の「シザーハンズ」でハサミ男エドワードを作った人で出演していました。

「古城の亡霊」はポー原作ではないのですが、かつての怪奇映画の一人者ボリス・カーロフを起用し、アンドレ役にはまだ新人のジャック・ニコルソンが演じています。エレイン役のサンドラ・ナイトはニコルソンの当時の妻らしく、他にもロジャー・コーマンの映画ではおなじみのディック・ミラーも出演しています。いわば身内だけで、脚本ナシ、前の映画「忍者と悪女」のセットを使い2日間で撮り上げたそうです。クレジットにはないですが、ジャック・ニコルソンが監督も兼任したそう。

この当時のジャック・ニコルソンは、まあかろうじてイケメンの部類でしたが、容姿がどうかなって?なってきてからメキメキ怪演により俳優として頭角を現し、1969年の「イージー・ライダー」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことから皮切りに、1970年の「ファイブ・イージー・ピーセス」、1973年の「さらば冬のかもめ」、1974年「チャイナタウン」で主演男優賞にノミネートされ、1975年の「カッコーの巣の上で」で見事アカデミー賞主演男優賞受賞しました。そこから1983年「愛と追憶の日々」元宇宙飛行士で助演男優賞。1997年「恋愛小説家」で再びアカデミー賞主演男優賞を受賞。オスカーの常連となりました。
風貌が個性的になってからは、1980年の「シャイニング」や1989年の「バットマン」はもはや顔芸と言う領域で強烈なインパクトを与えました。

共同製作としてフランシス・フォード・コッポラの名前がありますが経歴からは抹消されている模様。まあコッポラ初期の頃は「ディメンシャ13」(1963年)とか撮っているのでありですかね〜

レッベ男爵役のボリス・カーロフと言えば、「フランケンシュタイン」!!‥‥役ではなくてその中に出てくる怪物の役で有名なお方。

最近めっきり顔を出さなくなってしまったジャック・ニコルソンの若き日のお姿が拝めます。
機会があればどーぞ。

まとめ

お城に行って地獄行き

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