テープを持って突っ走る「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」

ドラマ

ビデオデッキ まだ持ってます。

[原題]The Life of David Gale
[製作年]2003[製作国]アメリカ
[日本公開]2003
[監督・製作]アラン・パーカー
[脚本]チャールズ・ランドルフ
[製作]ニコラス・ケイジ
[製作総指揮]モリッツ・ボーマン/ガイ・イースト/ナイジェル・シンクレア
[撮影]マイケル・セレシン
[編集]ジェリー・ハンブリング
[音楽]アレックス・パーカー
[上映時間]131

主な登場人物

デビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー):
元大学の教授。同僚で友人のコンスタンスをレイプした上、殺害した容疑で4日後に死刑執行が確定している。

ビッツィー・ブルーム(ケイト・ウィンスレット):
ニューズ誌の美人記者。面識もないゲイルから独占インタビューの指名を受ける。

その他の登場人物

コンスタンス・ハラウエイ(ローラ・リニー):デビッドの同僚、大学教授。親友で同じ死刑廃止の思想を持つ同士。
ザック・スティモンズ(ガブリエル・マン):ビッツィーに同行する新人記者
ダスティ・ライト(マット・クレイヴン):コンスタンスの信奉者
バーリン(ローナ・ミトラ):成績不振の女子学生。ゲイルにレイプされたと訴える。
べリュー弁護士(レオン・リッピー):ゲイルの弁護を担当
デューク・グローバー(ジム・ビーヴァー):刑務所の広報担当

あらすじ

その日アメリカの最高裁判所は、元大学の哲学部教授デビッド・ゲイルの処刑延期を却下した。ゲイルは1994年に同じ大学教授のコンスタンスをレイプした上、殺害した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。ゲイルとコンスタンスは同じ死刑廃止運動の活動家だった。ニューズ誌の記者ビッツィーだけなら取材を受けると、ゲイルの弁護士からオファーがあった。死刑執行までに面会できる回数は3回、しかしこの申し出に上司からインタビューの契約金が3回で50万ドルという途方もない金額を要求してきた上に、ビッツィーは召喚無視の法廷侮辱勢で7日間の勾留から戻ってきたばかりでこの話に疑問を感じると懸念した。さらに性的異常者に味方することで有名なビッツィーに独占取材をさせるのかも疑問だと。その為、ビッツィーにはお目付役として新人男性記者ザックがあてがわれた。死刑囚がなぜ自分を指名したのか疑問に思いながらも、ザックと共にテキサス州オースティンに向かったビッツィー。死刑囚のデビッド・ゲイルはハーバード大卒のインテリで、金持ちの妻と息子を持つ完璧なキャリアの割には殺害方法が稚拙だと指摘するザック。言い争っている間にレンタカーがエンジントラブルを起こしてしまい、夜中に立ち往生。ビッツィーが外に出ていると、怪しいトラックが止まりカウボーイ風の男がこちらを眺めてくる様子に、ビッツィーは少なからず恐怖を感じた。1日目、ゲイルが収容されているテキサス州のエリス刑務所に到着した2人。厳重な警備の中、刑務所の広報担当のグローバーから刑務所の中を案内してもらう。面会室でゲイルの担当弁護士べリューに会い、目の前の囚人ゲイルと初対面し、2時間のインタビュー3回、当日と翌日と木曜日、全て午後3時からなどと弁護士から条件が提示され、弁護士とザックは面会室から出ていった。2人きりでビッツィーによるゲイルへのインタビュー、1回目が始まった。ゲイルは静かに自分のことを話し始めた。

どんな映画?

アメリカ合衆国の脚本家チャールズ・ランドルフの脚本を、アラン・パーカー監督が共同製作し映画化。製作には俳優のニコラス・ケイジが名前を連ねています。死刑制度と冤罪について問いかけるサスペンス映画で、ケヴィン・スペイシーとケイト・ウインスレットが主演しています。

アメリカ合衆国テキサス州で
元大学教授のデビッド・ゲイルが
友人女性をレイプし殺害した容疑で
死刑が確定します。
その死刑囚が
ニューズ誌の女性記者ビッツィーに
独占インタビューをオファーしてきます。

えっー わたしー?

どうやら小児性愛者に
対しても敬意を払う
取材姿勢を買われているらしい
お目付け役の新人記者
ザックを連れてテキサスに
向かいます。

デビッドとの面会は全部で3回
デビッドはビッツィーに
これまでの経緯を
話始めます。

そして最後の面会で
自分は冤罪だ!
真相を解明するのは君だ!!と

えー!!?
わたしー!!!!

事件の真相に関わるビデオテープを持って走るビッツィー。

ざっくり言うと死刑と冤罪についての映画となりますが、そこはアラン・パーカー監督らしくサスペンスタッチに仕上げられております。また、この映画の後監督が引退され、結果的に最後の映画となりました。

主演のケヴィン・スペイシーがタイトルロールのデヴィッド・ゲイルを演じ、彼にインタビューする女性記者をオスカー女優のケイト・ウィンスレットが演じています。
死刑制度廃止論者の元大学教授のデビッド・ゲイルは、同志で友人であるコンスタンスをレイプした上、口にテープをし頭にビニールを被せ殺害した罪で死刑判決を受け、執行が4日後に迫っていました。
アメリカ合衆国の死刑制度は、州ごとに定められ2023年終了までに連邦、軍隊と27の州が死刑制度を実施しており、ほとんどが南部に集中している状態です。
映画の中のデビッド・ゲイル事件は、テキサス州で発生しており、テキサスは実際に死刑の執行が最多の州となっています。
コンスタンスの信奉者でカウボーイ風の男ダスティの部屋に、貼ってある女性が電気椅子で処刑されている写真は、1944年のビリー・ワイルダー監督の映画「深夜の告白」のモデルになった事件の犯人である、ルース・スナイダー本人の写真となっております。

性犯罪は最も忌むべき犯罪であることは前提として、被害者の訴えだけで犯罪者扱いされ、先入観や思い込みで満足な取り調べも行われず、その後も名誉が回復されないなど、日本でも実際にあるのが現状だと思われます。死刑と冤罪が作り出される問題点など考えさせられます。

スタッフ・キャスト

デビッド・ゲイルに指名された女性記者ビッツィー役を演じたのは、今やイギリスを代表する女優の1人ケイト・ウィンスレット。1997年のジェームズ・キャメロン監督の映画「タイタニック」のヒロイン役で一躍スターダムに。1994年にニュージーランド・アメリカ合衆国合作、ピーター・ジャクソン監督の史実を元にした映画「乙女の祈り」に出演、イギリスから来た女子高生役を演じスクリーンデビュー。この頃からふくよかで肉感的な印象ですネ。翌年アン・リー監督の「いつか晴れた日に」(1995年)に出演し、時代物のコスチューム・プレイがよく似合いこの映画でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされます。その勢いでケネス・プラナー監督の「ハムレット」(1996年)では、オフィーリアを演じています。1997年に出演した「タイタニック」では、令嬢ローズ役を演じ、豊満な肉体と斧をぶん回すパワフルぶりを披露し、本当に深窓令嬢かと思わされる熱演ぶりでした。私生活では「アメリカン・ビューティー」(1999年)の監督サム・メンデスとは2003年に結婚していますが、2010年に離婚されています。その後も、フィリップ・カウフマン監督の「クイルズ」(2000年)に出演、リチャード・エアー監督の「アイリス」(2001年)ではイギリスの女流作家アイリス・マードックの若い頃を演じ、こちらでもアカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。2004年に出演したミシェル・ゴンドリー監督、ジム・キャリー主演のSFロマンス「エターナル・サンシャイン」に主演し、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。2008年に出演したスティーブン・ダルドリー監督の「愛を読む人」に主演し、文字通り体当たりの演技でアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。「タイタニック」の頃と違い、リアルに崩れかかった裸身に哀愁を感じる映画でした。同年、当時の夫サム・メンデス監督、レオナルド・ディカプリオ共演で「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(2008年)に出演。ローズとジャックもあんな大恋愛していても、結婚してたらこんなんなるんだと絶望的な気持ちにさせる映画でした。また、映画だけでなくテレビ・シリーズの「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償」(2011年)で、主演のミルドレッドを演じエミー賞主演女優賞を獲得しています。33歳で6回のアカデミー賞にノミネートされるなど、現在までもショーレースの常連女優さんです。

デビッド・ゲイルの親友で同志のコンスタンスを演じたのはアメリカ合衆国の女優ローラ・リニー。1992年にジョージ・ミラー監督のヒューマン映画「ロレンツォのオイル/命の詩」に、教師役で出演。グレゴリー・ホブリット監督、リチャード・ギア主演の法廷スリラー「真実の行方」(1993年)では、女性検事役で出演、クリント・イーストウッド監督・主演のサスペンス映画「目撃」(1997年)では、クリント・イーストウッドの娘役で出演されています。また、ピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」(1998年)では、ジム・キャリーの妻を演じ徐々に実勅を発揮。2000年のケネス・ロナーガン監督の「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」では主演に抜擢され、アカデミー賞を含む多くの主演女優賞にノミネートされています。その後も、マーク・ペリントン監督、リチャード・ギア主演のホラー「プロフェシー」(2002年)、クリント・イーストウッド監督のミステリー映画「ミスティック・リバー」(2003年)、リチャード・カーティス監督のクリスマスオムニパス「ラブ・アクチュアリー」(2003年)などに出演。2004年には、ビル・コンドン監督の実在の人物をモデルにした「愛についてのキンゼイ・レポート」で、キンゼイ博士を演じたリーアム・ニーソンの妻役を熱演されていました。まだアカデミー賞の受賞経験はないのですが、ゴールデングローブ賞など数々の賞を獲得している実力派女優さんです。

まとめ

冤罪は作られるで地獄行き

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