いかにも胡散臭い人は、 やっぱり中身も胡散臭いような・・・
[原題]Reversal of Fortune
[製作年]1990 [製作国]アメリカ
[日本公開]1991
[監督]バーベット・シュローダー
[製作]オリヴァー・ストーン/エドワード・R・プレスマン
[原作]アラン・ダーショウィッツ
[音楽]マーク・アイシャム
[上映時間]111
主な登場人物
クラウス・フォン・ビョーロー(ジュレミー・アイアンズ):
オランダ人貴族出身だが。妻殺しの容疑がかかっている男。
サニー・フォン・ビューロー(グレン・クローズ):
資産家の女性。クラウス・フォン・ビューローと再婚し、前夫の間に子供が二人、クラウスとの間にコジマという娘がいる。
その他の登場人物
アラン・ダーショウィッツ(ロン・シルヴァー):ユダヤ人弁護士
サラ(アナベラ・シオラ):弁護士、黒髪
マリア(ユタ・ヘーゲン):ビューロー家のメイド
デヴィッド・マリオット(フィッシャー・スティーヴンス):薬物の運び人
アンドレア・レイノルズ(クリスティーン・バランスキー):クラウスの新しい彼女
ミニー(フェリシティ・ハフマン):学生
ジャック(トム・ライト)
ピーター・マッキントッシュ(ジャック・ギルビン):弁護士
あらすじ
1981年オランダ人貴族だというクラウス・フォン・ビューローは妻サニーを二度にわたりインシュリンを注射し昏睡状態に陥らせた殺人未遂事件の容疑で告訴されていた。1979年12月ベッドで寝ていたサニーは一回目の昏睡状態に陥った。ビュクラウスはすぐに対処し、病院で意識は回復したが、メイドのマリア、サニーの長女アラ、長男のアレックスはクラウスに疑念を抱いていた。二度目の昏睡はバスルームで倒れ、そこからサニーは永続的植物状態となり二度と目覚めることはないという。サニーの連れ子であったアレックスとアラは地方検事のブリルホファーに調査を依頼。探偵とアレックスはニューポートの屋敷を調べ上げ、クラウスの引き出しから致死量のインシュリンを発見したという。その頃クラウスは愛人で、昼ドラ専門女優とクルージングに出ていた。彼女は伯爵令嬢で、クラウスはサニーが死ねば1400万ドルの遺産が入ってくるのだ。1982年3月に初公判が開かれ、クラウスに有罪の判決ががくだされた。懲役30年の判決を受けていたクラウスは高名なユダヤ人弁護士でハーヴァード大学教授のアランに弁護を依頼した。アランは、死刑宣告をされている黒人青年の無実を証明するための資金稼ぎに依頼を受けることにする。メイドのマリアはクラウスが嘘の証言をしていたり、彼のかばんの中からインシュリンの小瓶と注射器が入っていたと徹底的に不利な証言をしていた。アランは胡散臭く世間からも嫌われているクラウスの弁護を引き受けるため、かつての恋人だが優秀な弁護士サラに協力を依頼した。
どんな映画?
この映画は、クラウス・フォン・ビョーローという実在の人物が関わった事件を担当した弁護士が出版した原作を元に映画化されたものです。アメリカの上流階級に起こったスキャンダルとして当時メディアでも非常に注目された事件でした。
疑惑の夫をイギリス人俳優のジェレミー・アイアンズが演じ、昏睡状態に陥った妻をグレン・クローズが演じています。
アメリカの高級住宅地に立ち並ぶ
お城のようなお屋敷たち
その中の一つの邸宅の寝室で女当主
サニー・フォン・ビューローは
心肺停止の昏睡状態になり
病院に運ばれたものの植物状態になってしまいます。
そこに疑惑を向けたのがサニーの連れ子
アラとアレックスでした。
クラウスが怪しい…
二人は彼を告発し、探偵を雇い自宅を捜索
クラウスの所持品の
中にインシュリンと注射器が
見つかったのです。
このインシュリンは大量摂取すると最悪昏睡状態に
陥いってしまうのです。
この証拠によりクラウスは有罪となります。
そんな窮地に陥ったクラウスが頼みにしたのが
人権派弁護士アラン・ダーショウィッツでした。
まったく勝算もなく、本人を知れば知るほど
疑わしい相手を弁護することになるのですが…
もう次の彼女を作っているクラウス。
アメリカの実業家を父にもったマーサ・フォン・ビューロー(愛称サニー)は幼くして亡くなった父親の莫大な遺産を相続していました。サニーはソーシャライトとしてアメリカ上流階級でしられていました。 日本人からしたらソーシャライトってなんじゃらほいなのですが、歴史が浅く貴族社会が存在しないアメリカでは莫大な財産を築いた金持ちの特権階級の子女をソーシャライトと呼ぶそう。お騒がせセレブとして知られるのヒルトン姉妹みたいな人たちもソーシャライトと呼んだりします。
サニーは一度結婚し二人の子供を設けましたが離婚し、再婚したのがクラウス・フォン・ビューローでした。いかにも胡散臭いクラウスにマスコミはこぞって有罪を掻き立て世論を誘導していきました。同じころ日本であった某疑惑事件を彷彿とさせます。
実在の人物でクラウス・フォン・ビューローを演じたのはイギリス人俳優のジェレミー・アイアンズ。この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。実在の人物がハゲ、髪が薄かったこともありハゲ頭で熱演しています。
ジェレミー・アイアンズという俳優さんは
ホントーにホントーに
気持ち悪くて…
大好きなんですよー!!!!!!
個人的に♥
クラウス・フォン・ビューロー氏は元々弁護士で、映画「ゲティ家の身代金」(2017年)に登場するジャン・ポール・ゲティの顧問として活躍していました。2019年に鬼籍に入ってしまっています。報道のありかたや司法のあり方を考えさせられる法廷映画です。
ユダヤ人の弁護士が
ヒットラーを弁護することになったらどうするか?
スタッフ・キャスト
監督のバーベット・シュローダーはイラン出身の映画監督。「4匹の蝿」(1971年)に出演していたミムジー・ファーマーを主演にした「モア」(1969年)で長編監督デビュー。ミッキー・ロークを主演にした「バーフライ」(1987年)、ブリジット・フォンダとジェニファー・ジェイソン・リーが共演し当時2世タレント共演と話題になったスリラー映画「ルームメイト」(1990年)、メリル・ストリープが主演した「判決前夜/ビフォア・アンド・アフター」(1996年)などサスペンスやスリラーを多く監督されています。また、ご自身も出演されることもあり「マーズ・アタック」(1996年)では、フランスの大統領としてご出演されていました。
疑惑のだんなを演じたジェレミー・アイアンズはイギリス出身の俳優。「フランス軍中尉の女」(1981年)でメリル・ストリープと共演。その後1988年にカナダの奇才デヴィッド・クローネンバーグ監督の「戦慄の絆」で二人一役の双子を演じ高く評価されました。「運命の逆転」ではアカデミー賞主演男優賞を受賞。その後ルイ・マル監督のイギリス・フランス合作映画の「ダメージ」(1992年)では、ジュリエット・ビノシュと激しいベッドシーンを演じ、翌年再びクローネンバーグ監督の実話を元にしたトンデモ映画「エム・バタフライ」(1993年)ではジョン・ローン(?)と謎のラブシーンを演じています。また、ヒットシリーズの「ダイ・ハード3」(1995年)で演じた悪役はかなりインパクトが強かったです。エイドリアン・ラインが監督した「ロリータ」(1997年)ではロリコン親父のハンバート・ハンバートを熱演(?)されていましたが、こちらの映画はあまり評価されなくて残念ですが個人的には好きな映画です。
現在までに多くの映画に出演し、育ちが良さそうで、知的な雰囲気を持ち丹精なルックスながらも変態を演じたら右に出るものはいないんじゃないかと(個人的に♥)思われ、悪役からコスチュームプレイまでマルチにこなせる素敵な俳優さんです。
実在の人物サニーを演じたグレン・クローズは、1987年に出演した「危険な情事」で世の中の男性を恐怖のどん底に突き落とした女優さんとして有名です♪グレン・クローズはこの映画のような法廷ドラマを「白と黒のナイフ」(1985年)で演じています。その他「危険な関係」(1988年)や「ハムレット」(1990年)、「アルバート氏の人生」(2011年)など古典的な顔立ちから時代物のコスチュームプレイも似合っています。また、2017年のサスペンス映画「天才作家の妻 40年目の真実」では夫のゴーストライターをする妻を演じていました。
実質的主人公を演じたのはユダヤ人弁護士役のロン・シルヴァー。政治活動家としても知られ、ひげを生やし知的な雰囲気から博士や判事役が多く、2000年には「O・J・シンプソン裁判」でやはり実在の弁護士を演じていました。
また、テレビドラマ「デスパレートな妻たち」の主人公の一人を演じ有名になったフェリシティ・ハフマンが女学生役で出演しています。
まとめ
限りなき透明なグレーで地獄行き
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