周囲が反対する男はやめたほうがいいでしょうね~
[原題]Le Jour Se Leve
[製作年]1939[製作国]フランス
[日本公開]未公開
[監督]マルセル・カルネ
[脚色・台詞]ジャック・プレヴェール
[音楽]モーリス・ジョーベール
[上映時間]89
主な登場人物
フランソワ(ジャン・ギャバン):
塗装工。
フランソワーズ(ジャクリーヌ・ローラン):
花屋に勤める若い娘。フランソワの工場に花を届けにやってくる。
クララ(アルレッティ):
ヴァレンティンのパートナー。パートナー解消後にフランソワに声をかける。
あらすじ
アパートの最上階フランソワの部屋で銃声が響き、男が撃たれ階段を転がり落ちた。そのまま部屋に篭城したフランソワは警察の説得に応じなかった。そのうちにアパートを見下ろす広場にはやじ馬でいっぱいになった。フランソワは思い出していた。工場で鉛入りの塗装をする危険な仕事をするフランソワの仕事場に花を持ったフランソワーズが訪れた。花屋のお使いで来たフランソワーズとフランソワは共に孤児で施設出身と似た名前ですぐに息統合した。話す間に花は枯れてきてしまった。知り合ったばかりだったがフランソワはすぐに彼女に夢中になり結婚を申し込んだ。しかしフランソワーズはなかなか色よい返事はせずかわいいカラーを付けたワンピースを着て出かけると言う。気になって後をつけたフランソワはフラソワーズの入った小劇場に入る。フランソワーズはヴァレンティンという犬の調教師に一生懸命拍手していた。舞台の袖からクララというヴァレンティンのパートナーがバーにいるフランソワのところまで来てフランソワにもう自由の身だと話し掛ける。つれなくするフランソワに興味を持つクララだが大人のかけあいで終わる。そのうちヴァレンティンとフランソワーズが親しげに出ていきフランソワは顔を背けた。
どんな映画?
アパートの最上階の部屋から響く銃声。
男が階段から転げ落ち、殺されているようです。
警察や野次馬が集まる中
銃を持った男が発砲します。
部屋に立てこもっている男はフランソワ。
フランソワは昨日までのことを回想していました。
塗装工をしているフランソワの職場に花を持った娘が訪れます。
娘はフランソワーズと名乗り、フランソワと同じ名前で
同じく孤児だとすぐに打ち解けます。
塗装工場は完全防備で宇宙服のような防護服を身に着けないといけないほど劣悪な環境。
フランソワーズが持ってきた花も
あっという間に枯れてしまいます。
彼女を愛したフランソワは、足げしく彼女の元に通い、プロポーズまでしますが、フランソワーズはフランソワをかわします。
フランソワーズは用事があるとある小劇場に出かけます。
後から入ったフランソワは入り口のバーで
彼女の様子を見守ります。
フランソワーズは犬の調教師のヴァレンティンに惜しみなく拍手を送ります。
しかしヴァレンティンは助手のクララとうまくいっていないかんじ。
すぐにクララは舞台を降り、バーのフランソワに話しかけます。
フランソワーズと親し気に話す中年男ヴァレンティン。
フランソワ(ややこしいですね~)は気が気じゃありません。
しかしこのヴァレンティンは・・・・
原題のLe Jour Se Leveは夜明けを意味しているのですが、この邦題だとヘミングウェイの「陽はまた昇る」と混同されてしまってちょっと損している感じがします。ストーリー展開は、主人公が冒頭に殺人を犯し、その経緯を回想するというノワール調になっています。主人公のフランソワが務めていた塗装の工場は、ちょっと健康を害する仕事でした。この映画では昔の潜水服でも着ているかのような重装備で仕事をこなしています。それを理由に犬の調教師に彼女との交際を反対されます。いけすかない男、誰を殺しどうなるのか?主人公の心理的な葛藤を描く佳作です。
スタッフ・キャスト
監督はフランスの名匠マルセル・カルネ。フランス映画史で必ず登場する映画、1945年の「天井桟敷の人々」の監督として知られています。1938年の「北ホテル」、1939年の「陽は昇る」、1942年の「悪魔が夜来る」、1945年の「天井桟敷の人々」とマルセル・カルネ監督のいずれの作品にも登場するのが熟女女優アルレッティです。アラフォーになってからスターになったアルレッティ。「天井桟敷の人々」で舞台芸人ガランスを演じ、その名を不動のものにしました。なんとも言えない大人な魅力
主演のジャン・ギャバンは往年のフランス映画界を代表する名優。日本でも人気があり、「宇宙刑事ギャバン」の由来にもなっているお方。別にハンサムとゆーわけではなく、どっちかっていうとおっさん顔。それでも初期のシリアスなメロドラマに出演しているジャン・ギャバンは時には大変かっこよく見えてしまうから不思議です。晩年になってからはアラン・ドロンやジャン=ポール・ベルモンドなどのイケメンとのカップリングでおっさんの渋みを遺憾なく発揮しておりました。ジャン・ギャバンと共演するアラン・ドロンはただのあほっぽく思慮浅い若造にしか見えなくなります!経験の違いを見せつけるのです。
この映画はアメリカハリウッドで「長い夜」というタイトルでリメイクされました。ジャン・ギャバン役はヘンリー・フォンダが演じておりました。
青い瞳のジャン・ギャバン。カラーで見られないのが残念です。
まとめ
彼女に男がいて地獄行き
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