作り手の理想って
自分の趣味趣向を全開にした作品で
ヒット作を出せることだと思います。
[原題]Hitchcock
[製作年]2012[製作国]アメリカ
[日本公開]2013
[監督]サーシャ・ガヴァシ
[製作]アイヴァン・ライトマン/トム・ポロック/ジョー・メジャック/アラン・バーネット/トム・セイヤー
[原作]スティーヴン・レベロ
「アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ」
[特殊メイク]ハワード・バーガー
[撮影]ジェフ・クローネンウェス
[編集]パメラ・マーティン
[音楽]ダニー・エルフマン
[上映時間]98
主な登場人物
アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス):
サスペンス映画の巨匠。この頃、「サイコ」の撮影に苦悩していた。
アルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン):
ヒッチコックの妻。ヒッチコックの作品で多数の脚本を担当していた。
その他の登場人物
ジャネット・リー(スカーレット・ヨハンソン):「サイコ」のマリオン役
ヴェラ・マイルズ(ジェシカ・ビール):「サイコ」のマリオンの妹役
アンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー):「サイコ」の主演
ルー・ワッサーマン(マイケル・スタールバーグ):スタジオ社長
ジョセフ・ステファノ(ラルフ・マッチオ):脚本家、「サイコ」の脚本を担当
ペギー・ロバートソン(トニ・コレット):監督秘書
エド・ゲイン(マイケル・ウィンコット):猟奇殺人犯
ウィットフィールド・クック(ダニー・ヒューストン):脚本家、アルマと共同執筆
バーニー・バラバン(リチャード・ポートナウ):パラマウント映画社長
ソール・バス(ウォレス・ランガム):デザイナー
あらすじ
1944年ウィスコンシン州の農場で兄をスコップで殴り殺すエド・ゲインの姿。その横で紅茶を飲みながら「グッド・イブニング」と語りかけるヒッチコック。エド・ゲインが猟奇的な大量殺人を犯さなかったらこの映画はできなかっただろうと。1959年7月8日シカゴでは「北北西に進路と取れ!」が公開され評判は上々だったが、ヒッチコックのキャリアはすでに昨品数46本の60歳そろそろ引退が囁かれていた。人気とはうらはらに新聞での批評はいまいちでヒッチコックは自分は過去の遺物かと落ち込み気味になっていた。ヒッチコックをパラマウント映画に送っていった妻のアルマ。ヒッチコックは次の映画の企画を考えあぐねていた。一方アルマは脚本家のウィットフィールド・クックと食事をし彼はアルマに本の脚色を一緒にやってくれないかと頼んできた。ヒッチコックは秘書のペギーにロバート・ブロック原作の「サイコ」という小説が話題になっていると話すが、パラマウントの連中は皆酷評し却下しているという。しかしヒッチコックはエド・ゲインをモデルにしたそのセンセーショナルな内容をいたく気に入り原作本を夢中で読んでいた。アルマはウィットフィールドから受け取った脚本を傑作だと見せるがヒッチコックは興味を示さなかった。ヒッチコックは自宅でアルマにこの安っぽいホラーになるだけだとあまり取り合わなかったが、ヒッチコックの勢いにアルマが一言、「ヒロインを開始30分で殺すこと」と助言する。早速ヒッチコックはペギーに、本屋や図書館にある「サイコ」をすべて買い占めろと支持。観客に封切りまで原作本を読ませないようにした。マスコミを集めても、猟奇的な殺人に皆引き気味になりパラマウントの社長はMGMで撮った「北北西に進路と取れ!」みたいなのを作ってくれと言い出し「サイコ」に難色を示した。
どんな映画?
サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、1960年の映画「サイコ」の製作の苦悩を描いたスティーヴン・レベロの小説「アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ」を元に、スティーヴン・スピルバーグ監督の「ターミナル」(2004年)の脚本を担当したことでも知られる、イングランド出身のサーシャ・ガヴァシが監督し、特殊メイクを施してアンソニー・ホプキンスがアルフレッド・ヒッチコックを演じています。
1959年の映画
「北北西に進路を取れ!」のヒットで
上機嫌のアルフレッド・ヒッチコック監督
しかし監督ももう60歳
自分はもう過去の遺物では?と
苦悩していました。
そこで出会ったのは
アメリカの猟奇殺人者エド・ゲインを
モデルにした小説「サイコ」
次回作はこれ!!
と推す監督ですが
映画関係者も妻のアルマも
難色を示すばかり
自分の作品の脚本を担当し
優れたアドバイザーでもある妻のアルマ
そんなアルマに近づいたのは
脚本家のウィットフィールド
一緒に脚本を執筆して欲しいと頼まれす。
アルマは久しぶりにヒッチコックから離れて
自分の仕事ができる楽しさと
にやけたウィットフィールドとの
仕事にウキウキ♪
思い通りにならない女優
酷評する映画会社
妻が浮気してるかも…と
次々とヒッチコックに苦難が襲います。
「サイコ」は一体どうなるの?!
先行上映中の映画館の劇場の外で、扉越しに観客の反応を楽しむヒッチ
映画のオープニングでは、お馴染み「マリオネットの葬送行進曲」が流れ「ヒッチコック劇場」よろしく、ヒットコック監督に扮したアンソニー・ホプキンスが「グード・イブニング」と語りかける演出がされています。
実在の人物を描いているため、当時の「サイコ」の脚本を担当したジョセフ・ステファノは、伝説のホラー映画「シェラ・デ・コブレの幽霊」(1964年)の監督としても知られています。また、同じく脚本家のウィットフィールド・クックは「舞台恐怖症」(1950年)、「見知らぬ乗客」(1951年)の脚本を担当しています。
この映画は、50年代もヒット作を連発したヒッチコック監督が、のぞき、同性愛への示唆、ブロンド美女の惨殺、ドッキリシーンと全ての性癖(?)を集結した作品「サイコ」の製作過程を描いています。 「ヒッチコックブロンド」と自ら作り上げた女性像。ずっと支え続けていた妻アルマとの夫婦関係を軸に、最後は感動的に仕上げています。
同年にヒッチコックのセクハラを告発するような映画「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女 」が公開されています。こちらはヒッチコックが、「鳥」(1963年)や「マーニー」(1964年)でヒロインを演じたティッピ・ヘドレンへのセクハラを描いています。
映画のヒットには、監督、脚本、プロデューサー、編集、カメラマン、衣装・メイク、音声、音楽、女優、俳優が優れていることが必須です。ただ視聴者側が観られのは、女優や俳優です。天才的な監督や製作者の力は巨大で、映画のヒットにより、それまで陽の目を見なかった女優や俳優が一夜にしてスターにするのも可能でしょう。でも、セクハラやパワハラで、優れた女優や俳優のキャリアが断絶してしまうのは残念でなりません。
スタッフ・キャスト
女優のジャネット・リーを演じたのがアメリカ合衆国出身の女優スカーレット・ヨハンソン。子役からキャリアをスタートさせ、1994年にロブ・ライナー監督、イライジャ・ウッド主演の映画「ノース 小さな旅人」で映画デビュー。翌年にはショーン・コネリー主演の映画「理由」(1995年)で、ショーン・コネリーの娘役を演じています。また、1996年に出演した「のら猫の日記」では、ローティーンの主人公を演じその演技が高く評価されています。その後成人して出演したソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年)では、東京に来るビル・マーレイの妻役で出演。この映画はヒットし、同年に出演したイギリス・ルクセンブルク合作のドラマ映画「真珠の耳飾りの少女」(2003年)に主演し、ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされています。2005年に当時人気のアッったユアン・マクレガーと共演したそんご映画「アイランド」は興行的に失敗したものの、同年出演したウディ・アレン監督の犯罪映画「マッチポイント」(2005年)がヒットし、ゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネートされています。翌年にクリストファー・ノーラン監督の「プレステージ」に出演。その後、マーベル・コミックのヒーロー映画「アベンジャーズ」シリーズで、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ役でセクシーな最強女スパイを演じ、ドル箱スターとなりました。現在、人気実力共にトップクラスの女優さんです。
「サイコ」の次のヒロインを演じたヴェラ・マイルズを演じた(ややこしいな)のはアメリカ合衆国の女優ジェシカ・ビール。2003年に出演した「悪魔のいけにえ」をリメイクした「テキサス・チェーンソー」に主演しヒットしています。ホラーが似合います。 また、80年代映画ファンにはたまららん、「ベスト・キッド」(1984年)のラルフ・マッチオが脚本家のジョセフ・ステファノを演じ、アルマと一緒に脚本を執筆する脚本家のウィットフィールドを演じたのは、巨匠ジョン・ヒューストンの息子ダニー・ヒューストンが演じています。
まとめ
監督と妻と映画で地獄行き
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